幼馴染は恋をする

「考え事をしてたら長く浸かってました」

「逆上せなかったか?…大丈夫か?」

「はい」

子供を心配するのと同じ感覚なのかな…。私のことまで心配しなくていいのに。

「……起きてたんですか?」

「ん、目は瞑っていたけどね」

……だから、聞かれてしまったんだ。

「…朝、寒いから。湯冷めする…」

「あ、はい」

布団をかけ直されて抱き込まれた。あ、…これはもう。いつもだけど…ドキドキしてしまう。温まってる体が更に体温が上がっちゃう。

「朝……耳、真っ赤だな。ん?」

「……はい」

だってどうしても…。

「別に今日に限って意識する必要はないんだよ?まあ……こうしてる時とか、理性が利かなくて、エロおやじだなんだと言ってごまかしてるのは俺なんだけど。こうしてるだけでも幸せだ…。あ、俺だって朝に負けないくらいドキドキしてる。聞こえてるだろ?」

「はい」

トクトク聞こえてます。

「でも」

「ん?」

「…知識はあるんです。男の人って、中途半端って辛いんだって。…ちょっと、キスだけして、それだけって…」

「朝……」

「少しずつって、どうなんですか?柳内さん大丈夫?色んな、…情報だけは高校生だって雑誌とかで知ったり友達で話したり…するんです。…してたんです。経験のある子だって……いました。経験て言うのは…」

胸につけていた顔を上に向けられた。

「…と、も。じゃあって、そういう訳にはいかないよ。上手くは言えないけど、自然にでいいんだ。俺のことはそんな風に心配するようなことじゃないんだ」

「…魅力的な人、好きになったりしない?大人の人、周りに沢山居ますよね?好きって言われないですか?」

「朝…」

……可愛いな、…もう。

「大丈夫。誘惑なんてされないから。大人の女性はね、あ、んー、こう言うと語弊があるんだけど、とても大人の女性はね、色々と秤にかけるんだよ。独身でも子持ちだと知るとね……面倒臭いもんなんだ。解るかな。近寄って来たりしないよ。…朝」

…ちょっと妬いてくれたのか。
抱き直した。

「あ。大人のつき合いはしないんですか?」

「それは…そういうことだけってこと?」

「はい、…そういうことです」

勢いで聞いて聞き返されると恥ずかしくなった。

「それは尚更無理だ。状況的に無理だろ?恵和と一緒に居ないといけないんだから。恵和をおいて女性に現をぬかしてる場合じゃない」

「チャンスはなかったんですか?」

「あ、……随分突っ込んでくるな…。ないよ。言っただろ?子持ちの男には声はかからないよ」

…。
< 121 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop