幼馴染は恋をする
「考え事をしてたら長く浸かってました」
「逆上せなかったか?…大丈夫か?」
「はい」
子供を心配するのと同じ感覚なのかな…。私のことまで心配しなくていいのに。
「……起きてたんですか?」
「ん、目は瞑っていたけどね」
……だから、聞かれてしまったんだ。
「…朝、寒いから。湯冷めする…」
「あ、はい」
布団をかけ直されて抱き込まれた。あ、…これはもう。いつもだけど…ドキドキしてしまう。温まってる体が更に体温が上がっちゃう。
「朝……耳、真っ赤だな。ん?」
「……はい」
だってどうしても…。
「別に今日に限って意識する必要はないんだよ?まあ……こうしてる時とか、理性が利かなくて、エロおやじだなんだと言ってごまかしてるのは俺なんだけど。こうしてるだけでも幸せだ…。あ、俺だって朝に負けないくらいドキドキしてる。聞こえてるだろ?」
「はい」
トクトク聞こえてます。
「でも」
「ん?」
「…知識はあるんです。男の人って、中途半端って辛いんだって。…ちょっと、キスだけして、それだけって…」
「朝……」
「少しずつって、どうなんですか?柳内さん大丈夫?色んな、…情報だけは高校生だって雑誌とかで知ったり友達で話したり…するんです。…してたんです。経験のある子だって……いました。経験て言うのは…」
胸につけていた顔を上に向けられた。
「…と、も。じゃあって、そういう訳にはいかないよ。上手くは言えないけど、自然にでいいんだ。俺のことはそんな風に心配するようなことじゃないんだ」
「…魅力的な人、好きになったりしない?大人の人、周りに沢山居ますよね?好きって言われないですか?」
「朝…」
……可愛いな、…もう。
「大丈夫。誘惑なんてされないから。大人の女性はね、あ、んー、こう言うと語弊があるんだけど、とても大人の女性はね、色々と秤にかけるんだよ。独身でも子持ちだと知るとね……面倒臭いもんなんだ。解るかな。近寄って来たりしないよ。…朝」
…ちょっと妬いてくれたのか。
抱き直した。
「あ。大人のつき合いはしないんですか?」
「それは…そういうことだけってこと?」
「はい、…そういうことです」
勢いで聞いて聞き返されると恥ずかしくなった。
「それは尚更無理だ。状況的に無理だろ?恵和と一緒に居ないといけないんだから。恵和をおいて女性に現をぬかしてる場合じゃない」
「チャンスはなかったんですか?」
「あ、……随分突っ込んでくるな…。ないよ。言っただろ?子持ちの男には声はかからないよ」
…。