幼馴染は恋をする

不思議と怖くはなかった。
私は朝まで目を覚まさなかった。

「………朝。そろそろ起きないか?…」

…。

「朝………と、も」

…。

「と~も~」

「んん…」

参ったな…。こんなつもりじゃなかったんだけど……。

「と~も~」

「…ん………ん、ん。…ん。ん?……わっ、大変!今何時ですか?」

「大丈夫。今日は休みだよ。…おはよう、朝」

「…………おはようございます」

…そうだ。休みの日だった、…良かった。

「大丈夫か?よく寝たな…」

「はい…」

……恥ずかしい。起きられなかったこともだし、色々…恥ずかしい。

「体、大丈夫か?…痛く、ないか?」

抱き寄せた。

「…はい…大丈夫です。あ、恵和君は?」

違和感はある…。

「フ。…お父さんから電話があったよ。休みだし、ゆっくりしてるって。迎えは昼頃でいいって。恵和も昨夜楽しかったみたいでよく寝てるって。…フ。同じだな」

頭を撫でられた。あ、また、子供扱い…。

「わ、私は恵和君とは違います、…から」

「そうだな、……朝…」

あっ。起きて直ぐにキスされるなんて…。首をすくめて布団を引き上げた。…こんな朝の迎え方…なんだかくすぐったくて恥ずかしい。
体のあちこちに赤い跡がついてる。でも途中からあまり覚えてない。大人なキスをされて…なんだかボーッとなっちゃって。首や体にも唇で。……それから。…。

「あの……」

「…ん?」

どう聞いたらいいんだろう。

「あの、私…大丈夫でしたか?」

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