幼馴染は恋をする

圧倒されていた。グイグイ押し気味に話されること、気持ちに変わりがないことを嬉しいとさえ思ってしまっている。
年が離れているからと遠ざけようとはした。……腹をくくらないといけないのは…とうに俺の方だ。

「朝ちゃん、今でも気持ちは変わらない?手紙に書いてあるように、…俺のことは好きでいてくれてるの?それはどんな気持ち?俺はおじさんだから、…ちょっと好きで止めるなんてことはしないよ?…まだ何も知らないのに、難しい話だよね」

「知ってください、私のこと。柳内さんのことも教えてください」

「朝ちゃん…」

「教えてください。柳内さんの気持ち…」

「俺は…」

「私は好きです。何も知らない。だからただ好きです。でも、この気持ちは柳内さんだけ。柳内さんにしか抱かなかった気持ちです。それをずっと持ち続けて来ました。何も始まってないから、薄れることもなくて、…下まで来て、…部屋を見上げて…馬鹿みたいって、それは思いました。知らないだけで部屋だって替わってるかも知れないのに。何も始まってないから、ただの憧れ、それで終わるのかも知れない。だから、柳内さんが、私を好きなら…私をもっと……夢中にさせてください。こちらから一方的で好きなだけって、それでもいいんだけど、…寂しいです。もう…欲張りになりたい…。はぁ、支離滅裂です。こうして会ってしまって…目の前に柳内さんが居る…。もう、どうしたらいいか解りません。少しずつ大人っていうか、成長してるから、この気持ちがもどかしくて余計苦しいです。私、駄目なんですか?まだ、駄目…」

大事だからこそ、この真っ直ぐさを、大人の男が汚して、傷つけてはいけないと思ってしまうんだ。……俺は。

「…朝ちゃん、俺は……朝ちゃんが高校を卒業したらご両親に挨拶に行くよ」

「え?」

「それまでは何もしない。挨拶に行って…多分、それだけでは反対をされるだろう」

「…それって…挨拶って…」

「うん、朝ちゃんが卒業したら一緒に暮らそう。そういう気持ちで挨拶に行く」

「あ…それって…」

気持ちが知りたい。言って欲しい。好きって言って欲しい。

「好きだったよ、いつの間にか…俺だってずっと…こんなおじさんが思っちゃいけないって自制しようとして、迷って、中途半端に朝ちゃんに冷たくした。
俺はただの独身のおじさんじゃないから」
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