洗脳学級
「なにこれ?」


「あのアプリの利用者のレビューだよ。公式に書きこまれた低評価レビューは全部削除されてるけど、他のサイトを調べたら出て来たの」


美世に渡された紙を見てみると、確かにお役立ちアプリのことが書かれていた。


《中毒性が高い》


《洗脳される》


《利用者の生死を操っている》


その書き込みにあたしは眉を寄せた。


「なにこのレビュー。こんなの嘘でしょ?」


「わからない。でも、これは1人の書き込みじゃないみたい。複数人が同じことを訴えてる」


あたしは美世の言葉に返事が出来なくなっていた。


今やどんなに些細なことでも全部アプリに質問している。


それがすでに洗脳されているということなんだろうか?


「洗脳されている本人はなかなか気が付けないけど、周りからみたら明らかにおかしいんだよ?」


そう言われて昌一の言葉の数々を思い出す。
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