洗脳学級
☆☆☆

翌日には、あたしは退院していた。


両親にはどうしてあんなことをしたのかとしつこく聞かれたけれど、本当のことは言えなかった。


佑里香が言う通り、あたしたちはもう戻れないところまで来ているんだろうか?


美世のことを殴ってしまうなんて思ってもいないことだった。


今思い出してみても、自分の行動が信じられない。


学校へ行くことが憂鬱だったけれど、美世との関係を無視していることもできずあたしは学校へ向かっていた。


「おはよう……」


いつもより元気なくそう言って教室へ入ると、さっそく美世と視線がぶつかった。


咄嗟にそらせてしまいそうになるが、グッと我慢して美世へ近づいた。


「美世、昨日はごめん。あたしどうかしてた」


今なら冷静になってそう言うことができる。


でも、昨日は違った。


アプリが消されるかもしれないと思った瞬間から頭の中は真っ白になり、なにも考えられなくなったのだ。


「これを見て」


美世はそう言うと、机の上に用紙を何枚か取り出した。
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