“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
ミシェル様は、向かい合う位置に座った。隣ではなかったのでホッとしたものの、本日のミシェル様は私をじっと見つめている。別の意味で、ドキドキすることとなった。このままだと心臓が保たない。思い切って質問してみる。

「あの、私、何か、おかしところでも?」

「なぜ?」

「ミシェル様が、み、見つめるからです」

「きれいだと、思って見ていた」

ぎゃあ~~~~! と、脳内で叫ぶ。この、誑し紳士め。なんてことを言ってくれるのか。聞かなければよかった。余計に、ドキドキしてしまう。

ミシェル様は誰よりも紳士なので、きっとすべての女性に「きれいだ」と言っているのだろう。そういうことにしておく。

破裂しそうな心臓を両手で押さえ、息を調える。ミシェル様を気にしていたら、大変なことになる。窓の外の景色でも楽しんでおこう。

そう思って窓の外を眺めていたが、視界の端でミシェル様が私を凝視しているのを捉えてしまう。帽子を深々と被って、なんとかミシェル様を視界の端に追いやった。
< 121 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop