“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
薬局に行って、材料を買い集める。

「すみません。柑橘酸と精製水、それから保湿潤滑剤はありますか?」

「あるよ」

店主は注文した品々を紙袋に詰めてくれる。

「ああ、あんたは、もしかして、この前下町の錬金術師について質問してきた人だったか」

「はい、そうです」

「あのあと、下町に行ったか?」

「いいえ」

「そうか、行かなくてよかったな。先日、国家錬金術師の協会が下町に調べに行ったところ、返り討ちに遭って、怪我人が出たらしい。問題の錬金術師は行方不明。社交界の時期は、怪しい奴らがわんさかと集まってくるから、毎日のようにありえない事件は多発。困ったもんだ」

もしかして、私が持って行った美容クリームが発端で、調査を行うことになったのか。幸い、怪我は命に別条はないみたいだけれど……。

皆が日常的に使っている者に毒が含まれているなんて、恐ろしいとしか言いようがない。
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