“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
◇◇◇

翌日──アリアンヌお嬢様と約束していた通り、皆で『アリアンヌ』と名付けられた薔薇の花を見に公爵家の庭に行く。

玄関に行くと、すでにイリスとドリスが待っていた。

「イリス、ドリス、早いですね」

声をかけると、にっこりと微笑みを返してくれた。

「そのバスケットは?」

「お菓子作ったの!」

「ラングドシャ!」

イリスとドリスはラングドシャをいたく気に入ったようで、昨晩作ったらしい。薔薇を見ながら、食べるようだ。
バスケットの中に入れて、ドリスが大事そうに持っている。

「卵黄は、カスタード・パックにしたの」

「見て、髪の毛、ツヤツヤでしょう?」

「本当! ふたり共、きれい!」

イリスとドリスの髪には、天使の輪ができていた。アリアンヌお嬢様同様、効果はバッチリのようだ。

私もヘアパックをしたかったけれど、昨晩はくたくただったのだ。今度、お休みの日に試したい。

「触って触って」

「気持ちいいから」

お言葉に甘えて、よーしよしよしと言いながら双子をわちゃわしゃに撫でる。
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