“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「あんた、手、きちんと洗って薬塗ったほうがいい。ばい菌が入って、酷いことになるぞ」

「ありがとうございます」

「薔薇、どこに運ぶんだ?」

「え、あの──」

作業員のおじさんは薔薇の入った籠を持ち上げ、運び始める。

「どっちだ? 右か、左か?」

「あの、まっすぐ行った先にある、離れに」

「わかった」

なんだかんだと言いながら、薔薇の花を離れまで運んでくれた。嫌な人だと思っていたが、本当はいい人だったのだ。
私が傷をきれいに洗うところまで見届け、帰っていった。
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