“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
どうだったか報告を待つ間、私はイリスとドリスを連れて蒸留室へと向かう。

「今日は何を作るの?」

「新作?」テーブルに出したメインの材料は、薔薇『アリアンヌ』の精油と蜂蜜。

「今日はこれを使って、化粧水を作ります。薔薇は香りをかぐだけで鎮静効果がある上に、乾燥から肌を守る効果があるのです。蜂蜜は栄養豊富で、肌に潤いを与え、美肌にしてくれます」

「へー」

「すごーい」

そんな肌にとってよい効果をもたらす薔薇の精油と蜂蜜を使った、最強の化粧水を今から作る。

「まず、薔薇水から作ります。とは言っても、材料は薔薇の精油と蒸留水を混ぜるだけです」

カップ一杯の蒸留水に、薔薇の精油を垂らして混ぜる。これで、薔薇水は完成だ。

「薔薇水は焼き菓子の香り付けにも使えるんですよ」

「そうなんだ」

「今度、ラングドシャに入れてみよ」

薔薇の香りがするラングドシャ。いいかもしれない。他、薔薇水は肌に塗って保湿クリーム代わりにしたり、髪に塗ってヘアケア用にしたりすることもできる。

「薔薇水が完成したら、カップに注いで蜂蜜を加えます」

イリスが薔薇水を量り、ドリスが蜂蜜を入れてくれる。

「薔薇水に蜂蜜を入れてよく混ぜて溶かし、それに保湿潤滑剤を加えます」

保湿潤滑剤はほのかに甘みを感じ、粘りがあって密度の濃い液体である。主に薬や化粧品に使われているらしい。

泡だて器でシャカシャカと混ぜ、きれいに混ざったら瓶の中に入れる。

「最後に増粘剤を入れて、魔法で振動させます」

手動でするならば、一時間くらい瓶を振り続けなくてはいけない。
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