“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
話をしながら、アリアンヌお嬢様の手の甲に円を描くように、ジェリーをくるくると広げていく。

「これを見ていたら、ジェリーが食べたくなるわ」

「でしたら、レティーシア様のお茶会では、薔薇水入りのジェリーを作りますか?」

「薔薇のジェリーって、作れるの?」

「はい。可能です。蜂蜜をたっぷり入れたら、甘くておいしいジェリーが仕上がるでしょう」

「だったら、作りたいわ」

「一品目は決定ですね」

それから、どんどんお菓子のアイデアを出していく。薔薇のスコーンに、薔薇のクッキー、薔薇のケーキと、薔薇づくしだ。

「お茶も薔薇にして、テーブルに置く花瓶の花も薔薇がいいわ」

「当日は、薔薇のドレスをまといます?」

「いいわね! 髪飾りは、薔薇の生花にしましょう」

薔薇を飾ったアリアンヌお嬢様は、きっと悶えるほど可愛らしいだろう。

「ありがとう。エリーのおかげで、いいアイデアが浮かんだわ。問題は、レティーシアが来てくれるか、だけれど」

「きっといらっしゃってくれますよ」

「そうね。そうよね……」

アリアンヌお嬢様は自らの頬に触れながら、私に質問する。

「わたくしの肌、きれいになったかしら?」

「ええ、おきれいですよ」

毎日のスキンケアのおかげで、ニキビは完治した。アリアンヌお嬢様は美しい肌を取り戻している。
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