“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「エリー、ありがとう」

「え? な、何のお礼でしょうか?」

「あなたは、わたくしのためにいろいろとしてくれているでしょう?」

「それは、私は、アリアンヌお嬢様の専属美容師ですから」

「それ以外も、してくれているでしょう?」

もしや、潜入のことがバレているのか。ドキンと、胸が高鳴る。

「エリーが来てから、メアリーにイリスにドリス、ミシェルは穏やかになったわ。あなたが来るまで、みんなピリピリしていたり、暗かったりしていたのよ」

「そ、そうだったのですね。しかし、みなさんが穏やかになったのは、アリアンヌお嬢様が元気を取り戻したからだと思います」

「あら、わたくしが元気を取り戻したのは、エリーの石鹸のおかげよ? エリーのお手柄じゃない?」

「そ、そうですね」

「だから、ありがとう」

アリアンヌお嬢様はぎゅっと私の手を握ってくれる。太陽みたいに暖かい手のひらだった。
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