“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
落ち着け、落ち着けと心の中で繰り返していたが、震えは止まらず。どうすれば止まるのかと考えていたところ、思いがけないことが起きる。

ミシェル様が私を傍に引き寄せ、ぎゅっと抱きしめてくれたのだ。そして、耳元で囁いてくれる。

「もう、潜入調査はしなくてもいい。掃除メイドのマリーの退職願は、こちらで用意しておく。だから、安心しろ」

「はい」

ミシェル様が幼子をあやすように、優しく背中を撫でてくれている。

突然の抱擁はびっくりしたけれど、不思議と震えは止まった。不安や恐怖心も、薄くなったような気がする。
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