“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「ま、まあ、高貴な身分の方には、愛人がつきものだから、嘘ではないとおもうけれど……」

貴族の結婚は家と家の結びつきを作る手段。愛あるものではない。そのため、結婚生活と愛を別々のものと捉えている人が多い。

うちの両親は幼馴染同士の結婚で、夫婦仲もよかった。けれど、そういう夫婦は稀なのだろう。

「アリアンヌお義姉様は性格がよくて、お美しくて、寛大で、賢くて、完璧な王妃の器だというのに、私とお母様が横槍を入れる形になってしまって……申し訳ないと」

「レティーシア、いいのよ。わたくしは、あなたが王太子妃候補になってくれたおかげで、より一層自分磨きができているの。今までは、自分一人だけだったから、最大の努力というものが、できていなかったのよ。だから、ここに来てくれて、ありがとう。これからも、よろしくね」

「アリアンヌお義姉様~~!」

レティーシア様はアリアンヌお嬢様に抱き着き、さらにわんわんと泣き始めた。

今度は、落ち着くまで時間がかかってしまった。

一時間半後に、ようやくお茶会が始まった。ふたりは本当の姉妹のように、仲睦まじい様子を見せている。

たっぷり三時間ほど、お喋りを楽しんだようだ。
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