“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
アリアンヌお嬢様と別れたレティーシア様は、私とミシェル様に話があるという。

深刻な表情で、今すぐ聞いてほしいと訴えてきた。

アリアンヌお嬢様の耳には入れたくないようなので、使用人の休憩室に案内する。

護衛騎士のロランは、扉の前で見張り役をしてもらった。

「すみません、散らかっていますが」

「いいえ、よろしくってよ」

暖炉の火で蜂蜜たっぷりのホットミルクを三人分作る。

「それで、お話とは?」

レティーシア様はドレスのスカートを、ぎゅっと握りしめる。

ミシェル様とふたり、話し始めるのを静かに待った。

「私──この前見てしまいましたの。お母様が夜中に、公爵家の蒸留室で怪しい薬を作っていたのを」

「デルフィネ様が……?」

「魔法を、使っていたようにも見えました」

デルフィネ様は反魔法派で、魔法嫌いなので有名だ。それなのに、魔法を使って何か調剤していたという。

作った物は、ルメートル公爵に持って行っていたらしい。
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