“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
水晶は、紫色に光ってしまう。レティーシア様は瞳に落胆の色を滲ませていた。

「レティーシア様、こちらの薬を、国家錬金術師に成分を調査させるためにいただいても?」

「ええ、かまいませんわ……あと、これも調べていただける?」

リボンがかけられた小箱を差し出す。

「こちらは?」

「アリアンヌお義姉様へのお土産ですわ。お母様が、用意していましたの」

レティーシア様はリボンを解き、蓋を開ける。中に入っていたのは、香水だった。

これも、水晶で確かめる。すぐに紫色に光った。

「やはり、これも毒でしたのね。……お母様、どうして……」

レティーシア様の眦から、ひと筋の涙が流れた。

「お義父様とアリアンヌお義姉様を、亡き者に、しようとしていましたの?」

その問いかけに、何も返す言葉がない。

「た、大変ですわ! わたくし、今までも、アリアンヌお義姉様に、母が用意した物を差し上げていて──」

「大丈夫です。それらの品々でしたら、処分しましたので」

「そ、そう。よかったですわ」

香水も預かり、調査することにした。

「私は、知らなかったとはいえ、なんて、大変なことをしていたのか」

「気づいていただいただけでも、こちらとしては助かります」

「ええ。お義父様が、再婚前と再婚後で、見た目も中身も変わってしまったことが、ずっと気になっていて……」
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