“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
そんな中で、驚きの一報が入る。デルフィネ様が、ルメートル公爵の誕生日パーティーを予定通り行うというのだ。

ルメートル公爵は確かに元気になった。ここ数日は、歩き回れるまで回復している。アリアンヌお嬢様がルメートル公爵の腰を支え、散歩をする様子は使用人の涙を誘っていた。

一時期はどうなるかと思っていたが、奇跡の回復を遂げる。

社交界でもルメートル公爵を心配する声が高まっていたので、元気な姿を見せることはいいことだろう。

しかし、しかしだ。まだ、ルメートル公爵の精神状態は完全ではない。

それなのに誕生日パーティーを開催するなんて……。いったい、デルフィネ様は何を考えているのだろうか。

前向きなアリアンヌお嬢様ですら、不安に思っている。

「エリー、お父様は、本当にパーティーに参加して大丈夫なのかしら? まだ、もうちょっと期間を置いたほうがいいと思うのだけれど」

「そうですね。まだ、万全ではないので心配です。お医者様が驚くほどの回復力を見せているようですが……」

「そうだわ。お義母様に考え直すよう、お話ししてこようかしら」

「それは──」

意見なんかしたら、今以上に逆に反感を抱かれるかもしれない。触らぬ神に祟りなし、だろう。

しかし、なんと言えばいいのか。考えているところに、ミシェル様がアリアンヌお嬢様を諫める。
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