“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
ご挨拶は──失敗だったか。すぐに、乳母が出てきた。別の部屋で、話をすることにした。

彼女の名前はメアリー・トーン。なんと、二十年もルメートル公爵家に仕えているらしい。

そんなメアリーさんは、扉が閉まった途端に頭を下げる。

「本当に、すみませんでした。アリアンヌお嬢様は、明るくて元気が取り得だったのですが」

「いえ、お気になさらないでください。私は使用人です。アリアンヌお嬢様が私に対して何か思うことはなくても、真心をもってお仕えしたいと思います」

「ありがとうございます……」

「あの、そんな、大丈夫ですので」

「この状況で、アリアンヌお嬢様にお仕えしていただけるなんて、どれだけありがたいか」

「それは、どういうことですか?」

メアリーさんは急にきゅっと口を閉ざす。俯き、苦しそうな表情を浮かべていた。

「私が話そう」

ミシェル様が、アリアンヌお嬢様を取り巻く状況について語り始めた。
< 22 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop