“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「以前までは、侍女は十名もいたのですが」

レティーシア様が王太子妃となれば、侍女は憧れの王宮勤務となる。将来、王妃付きになることもできるのだ。そのため、使用人達のほとんどが、レティーシア様の味方となってしまったらしい。

「アリアンヌお嬢様は、生まれた時から王太子妃候補と決まっていて、物心ついた時から、厳しい教育を受けていました。だから、数ヵ月前から王太子妃候補の修行を始めたレティーシア様に負けるはずなんてないんです! あの日、アリアンヌお嬢様に薬さえ盛られていなければ……!」

薬が盛られたとは、どういうことなのか。詳しく聞いて良いのか悪いのか。

「本当に、酷いことをするものです!」

「証拠がないことを、口にすべきではない」

「しかし、アリアンヌお嬢様が、審査中に眠るなんて、ありえないんです!」

何やら、いろいろと裏がありそうだ。ただ、証拠がない、と。

メアリーさんは、涙ながらに訴える。

「どうか、アリアンヌお嬢様の、味方になってください。きっと、お若いエリーさんのほうが、アリアンヌお嬢様のお気持ちは理解できるはずです。どうか、お願いいたします……!」

メアリーさんが苦しげに差し出した手を、包み込むように掴んだ。

「誠心誠意、お仕えします」

「ありがとうございます……!」
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