“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
ひとり部屋だという、贅沢なお部屋にお邪魔した。

「わっ──」

私のために用意された私室は、蔦模様に花が描かれた壁紙に、天蓋付きの寝台、立派な暖炉がある、なんとも素敵な部屋だった。

ラングロワ侯爵家の大奥様から贈られたドレスも、先に部屋に運ばれてきており、大きな衣装箪笥に収納されている。他に、仕事着のドレスやエプロンも五枚ほど用意されていた。

円卓には花瓶が置かれていて、黄色い薔薇が活けられている。鼻を近づけると、良い香りがした。

使用人の部屋の手配は、女主人の仕事である。つまり、アリアンヌお嬢様が指示し用意してくれたものだ。

先ほどはメアリーさんの背後に隠れ、歓迎していないという素振りを見せていた。けれど、心の中はそうではない。

温かい歓迎に、胸が熱くなる。

何があっても、私はアリアンヌお嬢様にお仕えしようと、改めて決意を固めた。
< 27 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop