“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
浴室は広く、洗い場もある。きちんとお湯の排水口がある構造は、稀だろう。

基本的なお風呂は、絨(じゅう)毯(たん)の上に猫足の浴槽が置かれているだけだ。当然、浴槽から出て体を洗うことなんてできない。では、どこで体を洗うのか。それは、浴槽の中しかない。石鹸を使い、頭と顔、体を、石鹸でお湯の中でじゃぶじゃぶと洗う。私は石鹸を流すお湯を別に用意していたけれど、ほとんどの人は浴槽のお湯でお風呂のすべてを済ませる。これが、この世界のお風呂事情だ(、、、、、、、、、、、)。

「ん?」

ふと頭に過った『この世界のお風呂事情』とはどういうことなのか。私は何と比べているのか。考えたら、ズキンと頭が痛む。

「うう」

眩暈を覚え、その場に蹲った。まだ、服を脱いでいなくてよかった。裸だったら、風邪を引いていたかもしれない。
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