“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
ふと、目の前にアリアンヌ様の使っているバス用品が目に飛び込んだ。

置かれてあるのは、タワシのような垢擦りと、薄紅色の石鹸である。それを見た瞬間、ドキンと胸が高鳴った。

今まで、石鹸といったら黄ばんだ色ばかりだった。けれど、この石鹸はとてもきれいな薄紅色だ。こんな色合いの石鹸なんて、この世界では見たことがない(、、、、、、、、、、、、、)。

またしても、不可解な思考が流れ込んでくる。本当に、私はいったい何と比べているのか。

頭痛が先ほどよりも酷くなったような気がする。

同時に、目の前にある薄紅色の石鹸が気になって気になって、堪らなくなった。

どんな香りがするのか。どのように泡立つのか。使い心地はどんなものか、と。

だが、触れることは許されていない。これは、アリアンヌお嬢様の私物だ。使用人である私が、同じお風呂を使わせてもらうだけでもありがたいのに……。

でも、手で触れずに香りをかぐだけならば、いいのかもしれない。
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