“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「部屋に運んだ時は、酷くうなされていたが」

「もしかして、ミシェル様が運んでくださったのですか?」

「そうだが」

「あ、ありがとうございます。重かったでしょうに」

「……いや」

なんだ、今の間は。もしかして、思っていたよりも重かったのか。羽のように軽いのは、物語のお姫様だけなのだろう。そんな現実はさておいて、これ以上体重が増えないように完食は控えよう。

「夜はうなされていたらしいが」

「もう、ぜんせん平気です」

発熱していたようだが、頭痛はきれいさっぱりなくなった。それよりも、気になっていたことがあったので質問をぶつける。

「あの、なぜ、アリアンヌお嬢様が私の看病を?」

「昨日は冷え込んでいたため、ここに来たせいでエリーが風邪を引いたのだと思われていたみたいで」

「アリアンヌお嬢様自ら看病してくださったなんて……。お優しい方です」

「その優しさが、アリアンヌお嬢様の弱みでもあるのだが」

確かに、たかが使用人ひとりの体調不良に対して主人自ら看病するなんて、優しすぎるだろう。
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