“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「将来王妃になるのならば、使用人は使い捨てくらいに思っておかないと、後々アリアンヌお嬢様がつらくなる」

「そう、ですね」

「それに、使用人に付け入られる隙にもなるだろう」

「……」

「アリアンヌお嬢様は、不器用なのだ」

父親の再婚と義妹の存在にショックを受け、母親との思い出が詰まった離れに引きこもることは王太子妃候補としてあってはならない。

アリアンヌお嬢様はきっと、繊細な心を持っているのだろう。

私ができることは、誠心誠意お仕えすることだけ。何も考えず、彼女が暮らしやすいように支えなければ。

と、気合いを入れたのはよかったが、今日一日は安静にするように言われてしまった。アリアンヌお嬢様からの命令でもあるらしい。

ただ、前世の記憶が戻っただけなのに。なんて言えるわけもなく、大人しく休むことにした。
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