“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
翌日早朝から、勤務開始だ。まず、メアリーさんから説明を受ける。

「アリアンヌお嬢様についてですが、最近調子がよくないようで、週に一度お医者様を呼んでおります」

「何かご病気で?」

「いえ、特定の病名はないのですが、腹痛や吐き気などですね。お医者様は、生活環境が変わったからだとおっしゃっているのですが」

離れに来てから、体調がよくないようだ。ストレスだろうか。まだ十四歳の少女なのに、おいたわしい。

他に、好きなお菓子や紅茶、食べ物、ドレスの好みなどを聞く。

「あの、アリアンヌお嬢様はお母様が亡くなってから、ずっと喪服をお召しになっているのですか?」

「いえ、お召しになっていたのは、奥様が亡くなってから一年くらいなのですが、離れに来てからまたお召しになって。理由は存じないのですが」

「はあ」

離れに来たきっかけは、王太子妃候補の試験に負けてから。おそらく、その一件がアリアンヌお嬢様の心に影を落としてしまったのかもしれない。

「エリーさん、私達ができることは、アリアンヌお嬢様が健やかに生活できるよう、手助けすることだけです。これから、どうぞよろしくお願いいたします」

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」

メアリーさんと手と手を取り合い、アリアンヌお嬢様を支えようと誓い合った。
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