“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
トボトボと、店の外に出る。しばらく店の前でぼんやりしていたら、先ほど私を押客が笑顔で木苺のタルトが入った箱を持って出てきた。

「やっぱり、売り切れって嘘です」

「そうです」

まだ、ショーケースにはたくさんの木苺のタルトが並んでいた。パティスリーローズのお菓子は予約不可。そのため、こうして並んで買うしかないのだ。

「どうして、私達は木苺のタルトを買えなかったのでしょうか?」

「きっと、レティーシア様が手を回して、アリアンヌお嬢様には売らないように言っているのですよー」

「間違いありませんー」

「……」

確かに、アリアンヌお嬢様の名前を出す前は、普通だった。おかしくなったのは、名前を言ってから。犯人がレティーシア様でなくても、どうしてこんなことをするのか。理解に苦しむ。
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