“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
シュカシューカ卿は、国家錬金術師の三本指に入る実力者らしい。そのシュカシューカ卿が作った美容クリームと、そっくりなのだという。

「シュカシューカのジジイは、貴族の女相手に、美容クリームを作って小銭稼ぎをしているんだ」

「猫印の美容クリームは、シュカシューカ卿の作った商品の印であると?」

「そうだ」

今、社交界で評判になっており、予約しても一年待ちになるほど大人気商品らしい。

「っていうことは、これは本物を模造した、粗悪品、というわけですか?」

「おそらくな」

すぐに、成分を調べてくれるらしい。何をするのかと思えば、美容クリームを指先で掬い取ってそのまま口に含んだ。

「え!?」

私が驚きの声を上げるのと同時に、ソールさんはハンカチに美容クリームを吐き出す。

「ぺっぺ……なんだこれ!」

「何が入っていた?」

「これを作ったヤツは馬鹿なのか?」

「何が、入っていた?」

「小麦粉に蜜蝋、それから防虫剤が入っている。こんなのを長い間塗っていたら、肌どころか、毒が蓄積して死ぬぞ!」
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