COLOR~番外編集~
「別にそういう意味じゃない!」

本当にそういう意図があって言ったわけではないのに、何故か俺は真っ赤になってしまった。

全く、さっきからこの女といると気が狂う。

「何でそんなに詳しいんだ。」
誤魔化すように聞くと女は答えた。

「私ね、大学で漢字について学んでいるの!」

だからあんなに詳しかったのか。納得した。

「俺の名前…女みたいでずっと嫌いだったけど、少し好きになった。」
「ほんと?よかった。」

また。女は優しく微笑んだ。
俺が目が離せない素敵な笑顔で。

衝動的に俺は聞いていた。
「名前は?」

「私?」

女は言った。
「私の名前は秀。男みたいな名前でしょ?」


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