愛のかたち
わたしはベッドに横になって考えた。



フラフラ・・俊くん危ないよね・・。

誰にでも優しい・・原口さん、そうだよね。

やっぱりわたし、決めれない。

どうすればいい?

どっちとも付き合わないでいたほうがいい??



頭の中をグサグサと悪魔が槍を刺しているかのように頭痛までしてきてしまった。

わたしは今日はこれ以上考えないでおこうと思い、お風呂に入って寝ることにした。




夏休み最後の日だった。

それでもわたしはバイト。

今日は沢村さんからどんな風にいびられるのか考えるだけでも怖かった。

昨日のあの顔は絵本の島にいる鬼の絵よりよっぽど怖かった気がした。


よし、気合い入れていこっと。


自分に気合いを入れて原付でバイト先へ出かけた。

ロッカーに入って着替えてカウンターへ行くとよりによって沢村さんが1人だけしかいなかった。

『お疲れ様です。』

わたしが沢村さんに声を掛けてももちろん返事はなかった。


こんなことで気にしてられないので気にせずCDを綺麗にしたり、シールを剥いだりと色々していた。


『新垣さん、昨日2人で星見に行ってたらしいわね。どうして行くの?』

いきなり沢村さんが後ろから話しかけてきた。


後ろを振り向くと本物の鬼かと思うほどの怖い表情の沢村さんがいてわたしはビビりまくっていた。


ど、どうしてと言われても・・・困る・・・。


『いや、その・・。行こうって言われて・・。』

わたしが言うとさらに怖い顔をして

『誘われたの?あなたが・・・』

わたしは手から汗が出てきていた。
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