愛のかたち
『すみません。』

わたしはなぜか謝ってしまい、そそくさとカウンターを出ようとした。


すると原口さんがカウンターの方に来て

『新垣ちゃん、お疲れ。』

とまたあの笑顔で挨拶をしてくれた。


ほんとに沢村さんとは正反対。



『原口くーん、この荷物もってもらえないー??重くって・・。』

カウンターから沢村さんがわたしのときとは1オクターブ以上違うんじゃないかというような声で原口さんを呼んだ。

わたしはチャンスと思い、返却された商品を持って売り場に出た。



そして売り場でため息をついた。


こえー、沢村さん。

今日は地獄だな・・。



こんなことを思っていたときだった。



『咲貴ちゃーん!!』

後ろから誰かが抱き付いてきた。

ビックリして見ると恵介くんがいた。


そして離れろって。と言いながら恵介くんとわたしを離す俊くんもいた。



『ビックリした。久しぶり!!』

お店でそんなことをされると怒られるが、あたりを見回すと誰もいなかったのでセーフ。

でもちょっと2人とは離れるようにして話し出した。
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