新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
『いいのいいの。今は家にいるより、ワイワイ騒がしい空気の中でおっきい声出して笑いながら、キンキンに冷えたビールを「カンパーイ!」ってしたい気分なんだよね』



と、そこまで言ってハッとした私が、若干慌てながら身を乗り出す。



『ごめん、お礼とか言って無理やりここまで引っ張ってきちゃったけど、越智くんこそ疲れてるよね? うわあ、ごめんね、気が利かなくて』



一気にテンションを下げてテーブルに突っ伏し、自己嫌悪に浸る。

すると姿は見えないけど、越智くんがプッと噴き出す声が聞こえた。



『いや、俺は別に大丈夫だよ。ただ宮坂が……あんなことあって、疲れてるんじゃないかと思っただけ』



顔を上げると、頬を緩めてこちらを見る越智くんがいた。

どこまでも優しい彼の眼差しと言葉に、私はつい、へにゃりと眉を下げる。



『……越智くんこそ。絶対疲れたし、嫌な思いしたでしょ?』

『嫌な思い、か。たしかに不快に感じたけど、それ以上に俺も相手には言いたいこと言った自覚あるからな』

『お見事でした』



ニヤリとどこかイタズラっぽく笑った越智くんへと、情けない顔のまま拍手を贈る。

そして改めて、姿勢を正し彼を見た。



『越智くん。今日は本当に、ありがとう。たぶんこれで西田さんも、さすがにもう私には構ってこないと思います』

『いや、たいしたことはしてないから、そんな畏まらなくても。それより……本当に、警察には相談しなくていいのか?』
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