新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
食洗機のスイッチを入れた礼を後ろから抱きしめ、やわらかな髪に顔を埋めた。

肩を揺らして反応を見せた彼女が、どこか拗ねたような口調でつぶやく。



「皐月くん……あの、まだ片づけが残ってるんだけど」



そう話す礼の耳や首筋が赤くなっているのは、俺から丸見えである。

こちらを振り返らず、あくまで照れ隠しをする彼女がかわいくて、自然に口もとが緩んだ。



「キッチンならもう充分綺麗に片づいてる。洗い物は食洗機がやってくれるし」



言いながら、視線を礼の目の前にあるものへと落とす。

少しでも家事の負担を減らし夫婦ふたりの時間を作る目的で、つい先日導入したばかりの食洗機。なかなか使い勝手が良く、彼女も気に入っている様子だ。



「えっと、でも」

「礼に触りたい」



ストレートな欲望を耳もとでささやくと、ピクンと腕の中の小さな身体が震える。

自然と口もとを緩ませて、俺は背後から礼の顎を掴み振り返らせた。

素直に身体ごとこちらを向き、見上げてくる彼女。

その目が通常よりもうるんでいるのを確認し、ますます口角が上がる。



「ほら。礼だって、俺に触って欲しそうな顔してる」

「……皐月くんが、ズルい言い方するから」

「俺のせい?」
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