新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
笑い混じりに話しながら、両手で顔を挟んでひたいを擦りつけた。

頬を染めた礼は、見つめる俺から逃れるように目を伏せる。



「……うん。私がうれしくなるようなこと言うの、わざとでしょ?」



俺は「ハッ」と声に出して笑った。反応や言葉で、いつもうれしくさせているのは、どっちだ。

突然笑い声を漏らした俺に彼女が驚いてこちらを見たその隙をつき、唇を奪う。

深いキスに礼の抵抗と思考がとろけた頃を見計らい、背中と太ももに手を回して軽い身体をまるで子どものように抱き上げた。



「ひゃっ?!」



背を支えられながら俺の腕の上に座る形になった彼女が、驚いた様子で首にしがみつく。



「おっ、おも、重いからぁ……!」

「重くないしむしろ軽い。落とさないから安心しろ」

「わ!」



焦ったように声を上げる礼にあっさり言葉を返しつつ、スタスタと歩いてリビングを出る。

やって来た自分の部屋の照明をつけると優しくベッドに彼女を寝かせ、その身体を見下ろすように覆いかぶさった。



「やっぱり、ダブルベッド買うべきだな。今度見に行こう」



礼の部屋のベッドもそのままにしているものの、気持ちが通じ合って以降俺たちはこのセミダブルベッドで一緒に寝起きしていた。

彼女にぴったり寄り添って眠ることができるのはいいことだが、やはり少し手狭ではある。

そんなことを思いながらつぶやいた俺を、赤い顔の礼がなぜか恨めしそうに見ていた。
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