新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
「……礼、いいことを教えようか」
「え?」
「残念ながら、俺は遠視だ。だからメガネがなくても、ピントは合いづらいがある程度よく見えてるんだよ」
「ええ!? う……っ」
嘘、と続けられると思われたその声は、何度目かもわからないキスで喉の奥へと消える。
彼女が持ったままのメガネをさりげなく取り上げてベッドボードに置くと、礼は諦めたように空いた左手で俺の背中をきゅっと掴んだ。
……ほら、今もだ。
その輪郭が、眼差しが、吐息が、匂いが、仕草が。
彼女を形作るすべてが、俺を魅了して離さない。
「子ども、俺は男でも女でも構わないけど、どっちにしろ礼似だといいな」
笑みを含んだ声で耳もとにささやきを落とすと、ますます礼が顔を赤くするから俺の頬もつられて緩んだ。
少し前までの自分は、このハッピーエンドを想像できなかった。
だけど、たしかに彼女は、今俺の腕の中にいる。俺の名前を、いとおしそうに呼んでくれる。
夢じゃない。幻でもない。礼が選んでくれたのは、他でもない俺なんだ。
……ずっと。
恋や愛なんて、ただのまやかしでしかないと思っていた。
けれども彼女のそばにいると、この気持ちが永遠のものであると信じられる。信じたいと、思える。
「……好きだよ、礼。愛してる」
まだまだ、夜は長い。
時間をかけて自分の熱情を知らしめるべく、余計な思考をやめにして目の前の彼女を甘やかすことだけに集中し始めた俺は、胸の内を満たす感情をまるでひとりごとのように自然とこぼす。
『好き』も『愛してる』も、想いが通じ合ってからは幾度となく伝えた言葉だ。
それでも彼女は、今もまたうれしそうに破顔した。
「私も……愛してるよ、皐月くん」
俺にとっての最上級のハッピーエンドを運んできた22歳の“彼女”は、キューピットどころかまるで女神だ。
その女神と同一人物である最愛の妻の笑顔を見ながら、飽きることなく幸せを噛みしめた。
/END
2019/9/25
「え?」
「残念ながら、俺は遠視だ。だからメガネがなくても、ピントは合いづらいがある程度よく見えてるんだよ」
「ええ!? う……っ」
嘘、と続けられると思われたその声は、何度目かもわからないキスで喉の奥へと消える。
彼女が持ったままのメガネをさりげなく取り上げてベッドボードに置くと、礼は諦めたように空いた左手で俺の背中をきゅっと掴んだ。
……ほら、今もだ。
その輪郭が、眼差しが、吐息が、匂いが、仕草が。
彼女を形作るすべてが、俺を魅了して離さない。
「子ども、俺は男でも女でも構わないけど、どっちにしろ礼似だといいな」
笑みを含んだ声で耳もとにささやきを落とすと、ますます礼が顔を赤くするから俺の頬もつられて緩んだ。
少し前までの自分は、このハッピーエンドを想像できなかった。
だけど、たしかに彼女は、今俺の腕の中にいる。俺の名前を、いとおしそうに呼んでくれる。
夢じゃない。幻でもない。礼が選んでくれたのは、他でもない俺なんだ。
……ずっと。
恋や愛なんて、ただのまやかしでしかないと思っていた。
けれども彼女のそばにいると、この気持ちが永遠のものであると信じられる。信じたいと、思える。
「……好きだよ、礼。愛してる」
まだまだ、夜は長い。
時間をかけて自分の熱情を知らしめるべく、余計な思考をやめにして目の前の彼女を甘やかすことだけに集中し始めた俺は、胸の内を満たす感情をまるでひとりごとのように自然とこぼす。
『好き』も『愛してる』も、想いが通じ合ってからは幾度となく伝えた言葉だ。
それでも彼女は、今もまたうれしそうに破顔した。
「私も……愛してるよ、皐月くん」
俺にとっての最上級のハッピーエンドを運んできた22歳の“彼女”は、キューピットどころかまるで女神だ。
その女神と同一人物である最愛の妻の笑顔を見ながら、飽きることなく幸せを噛みしめた。
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2019/9/25


