新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
「ここがトイレ。で、こっちが……」
リビングから廊下に出てすぐ目の前にあるドアを指して、皐月くんが続けていく。
いよいよ私の緊張は最高潮だ。ぎゅっと、無意識に胸もとで両手を握りしめる。
ああ、いよいよ……次のドアの向こうが、寝室なのだろうか。
私と彼は、結婚した夫婦で。つまり、その、あたりまえに“そういう”……夫婦の営みを、しているということで。
記憶はないが、結婚とはそういうことなのだ。
改めて、目の前にいる人物と自分がそんな関係にあることに、今にも逃げ出してしまいたいような羞恥心を覚えてしまう。
大学生の頃、短い期間だけど彼氏がいたことはあったから、キスやその先も一応は経験済みだ。
だけど、それとこれとはまた全然違う問題というか……だって、結婚だよ? 病めるときも健やかなるときも愛し抜くことを誓ってるんだよ?
3ヶ月やそこら付き合った過去の恋人とは、正直比べものにならない深い関係なのだ。……そこまでの関係に至るプロセスを、まったく覚えてはいないけれど。
でも、ちゃんと受け止めなきゃ。
いくら記憶が抜けていようとも、今の私が29歳で、越智皐月くんの妻らしいというのが現実であることは思い知っている。
リビングから廊下に出てすぐ目の前にあるドアを指して、皐月くんが続けていく。
いよいよ私の緊張は最高潮だ。ぎゅっと、無意識に胸もとで両手を握りしめる。
ああ、いよいよ……次のドアの向こうが、寝室なのだろうか。
私と彼は、結婚した夫婦で。つまり、その、あたりまえに“そういう”……夫婦の営みを、しているということで。
記憶はないが、結婚とはそういうことなのだ。
改めて、目の前にいる人物と自分がそんな関係にあることに、今にも逃げ出してしまいたいような羞恥心を覚えてしまう。
大学生の頃、短い期間だけど彼氏がいたことはあったから、キスやその先も一応は経験済みだ。
だけど、それとこれとはまた全然違う問題というか……だって、結婚だよ? 病めるときも健やかなるときも愛し抜くことを誓ってるんだよ?
3ヶ月やそこら付き合った過去の恋人とは、正直比べものにならない深い関係なのだ。……そこまでの関係に至るプロセスを、まったく覚えてはいないけれど。
でも、ちゃんと受け止めなきゃ。
いくら記憶が抜けていようとも、今の私が29歳で、越智皐月くんの妻らしいというのが現実であることは思い知っている。