新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
「わざわざ迎えにきたのなんて、初めてよ? よっぽど礼ちゃんのことが心配なのね」
からかうようにささやいた彼女のセリフに、私はそこで、なぜだか少し引っかかりを覚えた。
けれどもそれを表に出すことなく、店長には苦笑いを返す。
そうして皐月くんと私は、ふたり連れ立って店を出た。時刻は18時少し前だ。
まだまだ外は明るくて、むわっと生あたたかい風が肌を撫でる。
「松井さんが淹れてくれたコーヒー、美味かった。さすが礼が惚れ込んだだけあるな」
「ふふっ、でしょう?」
隣を歩きながら思わず笑みをこぼした私を、彼も同じく微笑んで見下ろす。
「ああ。また今度、飲みに行きたいな」
そう話す彼の言葉は、私にとってもうれしいもののはずなのに……胸の奥が、ツキンと痛んだ。
さっきも感じた小さなモヤモヤがまた生まれて、そのことに戸惑う。
思い出すのは、彼がカフェにきてから店長と交わしていた会話や、彼女が耳打ちしてきたセリフだ。
……皐月くん、Cafe fluffyにきたのは、今日が初めてだったんだ。
彼もまた、私ほどではないにしろコーヒーを好んでよく飲んでいる。
私が淹れるものも、いつも美味しそうに飲んでくれて……。
そんな彼が、私の惚れ込んだコーヒーを出すあのお店に、これまで1度もきたことがなかったということに──なんとなく、違和感を覚えてしまったのだ。
自分でもわかってる。私のこの気持ちは単なるワガママで、何の正当性もないってこと。
けれども、チクリと胸を刺した一抹のさみしさは、気のせいだと誤魔化しようもなかった。
からかうようにささやいた彼女のセリフに、私はそこで、なぜだか少し引っかかりを覚えた。
けれどもそれを表に出すことなく、店長には苦笑いを返す。
そうして皐月くんと私は、ふたり連れ立って店を出た。時刻は18時少し前だ。
まだまだ外は明るくて、むわっと生あたたかい風が肌を撫でる。
「松井さんが淹れてくれたコーヒー、美味かった。さすが礼が惚れ込んだだけあるな」
「ふふっ、でしょう?」
隣を歩きながら思わず笑みをこぼした私を、彼も同じく微笑んで見下ろす。
「ああ。また今度、飲みに行きたいな」
そう話す彼の言葉は、私にとってもうれしいもののはずなのに……胸の奥が、ツキンと痛んだ。
さっきも感じた小さなモヤモヤがまた生まれて、そのことに戸惑う。
思い出すのは、彼がカフェにきてから店長と交わしていた会話や、彼女が耳打ちしてきたセリフだ。
……皐月くん、Cafe fluffyにきたのは、今日が初めてだったんだ。
彼もまた、私ほどではないにしろコーヒーを好んでよく飲んでいる。
私が淹れるものも、いつも美味しそうに飲んでくれて……。
そんな彼が、私の惚れ込んだコーヒーを出すあのお店に、これまで1度もきたことがなかったということに──なんとなく、違和感を覚えてしまったのだ。
自分でもわかってる。私のこの気持ちは単なるワガママで、何の正当性もないってこと。
けれども、チクリと胸を刺した一抹のさみしさは、気のせいだと誤魔化しようもなかった。