新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
「わ……っわー恥ずかしい!! ああありがとう皐月くん!!」

「ふっ、美味しくできた?」



ソースを味見した際についたものだと、わかっているのだろう。彼が笑いを堪えながら訊ねてきた。

羞恥で目を合わせられないまま、コクコクと首を上下させる。



「お、美味しいと、思います」

「そうか。いつもありがとな」

「い、いえ……」



なんで敬語、とまた笑いながら、皐月くんはその場に固まる私の横を通り過ぎて自室に入った。

ドアが完全に閉まったことを確認した私は、はあっと熱のこもったため息を吐いて両頬を手のひらで包む。

……こんなスキンシップくらいで、私、照れすぎだよね。

皐月くんと私は、夫婦なんだから。本来ならこのくらいの接触、なんでもない……はず。

まさかだけど、記憶を失くす前からこんな感じだったってことは、ないよねぇ?

もしそうなら、それって私、どれだけ皐月くんのこと好きすぎるんだっていう……。

火照る頬に両手をあてたまま、また深く息を吐き出す。

未だ早鐘を打つ胸の鼓動を抱えながら、私はようやくリビングへと向かったのだった。
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