新妻ですが、離婚を所望いたします~御曹司との甘くて淫らな新婚生活~
その後も始終和やかなムードで、あっという間に時は流れる。

4人でいろいろな話をしながら、途中何度か危ういところはあった。

けれどそんなときは決まって皐月くんが上手く助け舟を出してくれて、なんとか菊池くんとほのかには不審がられず乗りきれたと思う。



「それじゃあそろそろ、俺たちはお暇するよ」

「ああ、もうこんな時間か。またいつでも来いよ」



皐月くんの言葉を合図に、楽しい時間はお開きとなった。

来たときと同じく4人連れ立って玄関へと向かう。

前を歩く男性ふたりに聞こえない音量で、赤ちゃんを抱っこしたほのかが私に耳打ちしてきた。



「礼、めちゃくちゃ越智くんに大事にされてるね? 私、実は越智くんのことちょっと何考えてんのかわかんないとこある人だと思ってたから、少し不安だったんだよねー」

「え……」



思わず目を丸くした私に対し、彼女はにっこり笑みを浮かべる。



「でも、今日でもうすっかり安心した。お似合いだね、ふたり」

「あ……ありがとう」



そう返しながら、私も同じように笑顔を見せたつもりだった。

だけど、うまくできただろうか。ほのかの予想外の言葉に、私は思いのほか動揺してしまったのだ。

私から見た皐月くんは、心配性でとことん優しくて、私のことを思いきり甘やかしてくれる人。

でも、他の人から見た彼は違っている。たぶんそれは何の不思議でもない当然のことのはずなのに、なぜか、ひどく胸がざわついた。
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