好きになるには理由があります
 すると、陽太は神楽を見たまま言ってくる。

「助けて欲しい人を助けてくれなかったからだよ」
と。

 黙って陽太の横顔を見ていると、陽太は言った。

「俺はすごいひいばあちゃんっ子だったんだよな。
 うち、みんな仕事で忙しくてさ。

 ばあさんまで。

 俺に構ってくれるのは、ひいばあちゃんくらいで」

 皆様、パワフルそうですね、と思っていると、
「ああ、あと、英孝が居たか」
と言う。

「っていうか、あいつもほっとかれたクチだから、ぽいっ、と俺と一緒にひいばあちゃんとこに放られてた」

「やっぱり、杵崎さんとはご親戚なんですか?」

 英孝と呼んでいたし、関谷(せきや)さんが聞いたという前の支社長の話の感じからして、会長の一族っぽいなと思っていたのだ。

「まあ、お前はいずれ身内になるんだから、言ってもいいか」
と言う陽太に、

 いやいや、なるとか言ってませんからね、と思っている間に、陽太は、
「英孝は甥なんだ」
と言う。

「は?」
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