好きになるには理由があります
「英孝は年の離れた姉が昔、ちょっと道をそれて、うっかり早くに作った子供なんだ。

 母親が姉に激怒したせいもあって、英孝は戸籍上は、祖父母の子になってるから、一応、俺のおじさんになるんだけど。

 本当は俺が甥じゃなくて、あっちが甥なんだ」

 陽太は何故かそこのところを真剣に主張してくる。

「いや、その辺、どっちでもよくないですか……?」
と言ったのだが、いや、どうでもよくない、と陽太は言う。

「それで二人でよく揉めてたんだ、昔。
 俺の方がおじさんだって言って。

 おじさんって、大人みたいで甥より格好いい気がしたんだろうな。

 ……この歳になったら、積極的になりたいものではないんだがな、おじさん」
と言う陽太に、深月も深く頷く。

「そうですよね。
 私も従兄弟の子におばちゃんとか言われたら、お菓子買ってやるの、やめてやろうかと思います」
と言って、

「それは心が狭いだろう」
と言われてしまった。

 いや、お前もな……と思っていたが、言わなかった。
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