好きになるには理由があります
 


 次の土曜にまたコミュニティセンターで稽古があった。

「そうかー、いよいよ練習に参加してくれるのか。
 ありがとう、陽太」
と則雄に肩を叩かれ、陽太はちょっと嬉しそうだった。

 おじさんたちも大歓迎だ。

「ずいぶん遅れて始めることになりますが。

 大丈夫でしょうか。
 とりあえず、どんな感じか見てみたいんですが」

「ああ、大丈夫」
と則雄は笑い、陽太の前で踊っている男を指差す。

「それだから、陽太がやる役」

 え? と深月は陽太と二人、ステージを見た。

「さっきから、ずっと目の前でやってた奴」
と則雄は笑う。

「……そういえば、この間から、何度となく、この人を見ているような」
と陽太が呟くと、やっていた清春の友人、喜一(きいち)が手を振った。

「そうそう。
 あんたなら、見てるだけで覚えるかなと思って。

 それで、ずっと目の前でやってたんだよ。
 僕は当日、学校行事があるんで、間に合うかどうかわからないから」
と教員の喜一は笑う。

「知能犯め……」
と陽太は呟いた。
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