好きになるには理由があります
 そう言いながら、ノートパソコンを開ける陽太に向かい、杵崎は、
「……支社長が、そんな色ボケなさるような方だとは思いませんでした」
と言い放ち、さっさと支社長室を出た。

 おいっ、という陽太の言葉を無視して、下に降りる。

 総務のカウンターの前を通ると、笑いながら電話の応対をしている深月の姿が見えた。

 こちらに気づき、電話で話しながら軽く頭を下げてくるので、下げ返して通り過ぎた。





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