好きになるには理由があります
「この辺りも結構明るくなるの早いな」
と陽太が言ったので、

「支社長が前……」
とうっかり言いかけ、深月は黙った。

 支社長が此処に来たのは、他の親族に飛ばされてきた説と、本社で役員になる前に一度支社でも見てこいと言われて、やってきた説があったのだ。

「そこで詰まられる方が気まずいだろうが。
 大丈夫だ。
 俺は必ず、返り咲く」

 ……飛ばされたんだな。

「そんなことより、さっさと食え。
 お前の風呂が長かったから、冷めかけてるだろうが」
と言われたのだが、まだ充分料理は温かく。

 注がれた紅茶も程よい温かさで、いい香りがした。






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