好きになるには理由があります
 いや、でも、支社長の舞、かなりハードだし、ふたつもあるから、しばらくはボロボロなんじゃないかと思うけど、と深月は苦笑いしていた。

 やはり、練習と本番では違う。

 観客の熱気に押されるように、みな、激しく舞ってしまうのだ。

「じゃあ、祭りに備えて、もう寝ろ」
と陽太が言ってくる。

「はい、おやすみなさ……

 あ」
と深月が声を上げると、陽太が、

「どうした?」
と訊いてくる。

「いえ、誰かがドアの向こうに居る気がして」

 なにかの気配を感じたのだ。

「忍者か」
「何故ですか」

「刺客か」
「……それは何処から放たれたんですか」

 陽太はまだ、この間の船での会話を引きずっているようだった。
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