好きになるには理由があります
「そうそう。
 そしたら、運んでる間に洗えるでしょ、とか。

 食洗機なんて信用ならないとか、おばちゃんたちが言い出して。

 なんで新しい電化製品って、最初は信用ないんだろうね。

 洗濯機だって、昔は新しい電化製品だったのに」

「その頃はその頃で、そんなもので洗えるかとか言ってたんじゃないのか」
と言われ、だろうね、と言って、見つけたおばちゃん指定の平皿を抱えようとしたとき、

「深月、ちょっと待て」
と清春に言われる。

「えっ? なにっ? 虫っ?」
と言って、深月は手を引っ込めた。

 たまに皿を取ると、なんだかわからない虫がのっかっていたりするからだ。

「いや、今、持つな。
 割れると困るから」

「やだなー、そうそう落とさな……」

 い、と言う前に、深月は清春に抱きしめられていた。

「お前が驚いて落として割ったら困るからだ」

 そう抱きしめたまま清春は言ってくる。
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