好きになるには理由があります
「お前、船長と結婚するつもりか」

 深月が答えないでいると、

「なんでだ。
 ずっとお前を好きだったのは俺なのに。

 ずっとお前を守ってきたのは俺なのに」

 そう言い、清春は深月を抱く手に力を込める。

 逃げなきゃと思うのに、ずっと身内として暮らしてきたせいか。

 何処かで信用してしまっていて。

 深月は逃げずに、ただ清春の顔を見上げていた。

「俺がずっと守ってきたのに……。

 C組の村木からも。
 俺のクラスの新田からも」

「……ちょっと待って。
 それは初耳。

 新田って、あの清ちゃんの次に格好いいとか言われてた新田先輩?」

「その新田だが。
 誰であろうと俺の目の黒いうちはお前には指一本触れさせない」

 いろんな意味で困った兄だったんだなと今、初めて知った……。
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