好きになるには理由があります
「清ちゃん、……私、船長……

 支社長……

 よ、陽太さんが好きみたいなの」

「……せめて一発で言え」

 いや、なにかまだこう、名前では呼びづらくて、と深月は思っていた。

「支社長だし、最初は絶対ないと思ってたんだけど。
 でも、気がついたら、いつも側に居てくれて。

 いつの間にかずっと一緒に居るのが当たり前みたいになってた」

「それは俺だって同じだろう?
 ずっとお前の側に居て。

 これからもずっとお前の側に居る」

 でも……と言いよどむ深月の腕をつかみ、清春は言う。

「船長が好きなんです。
 ああそうかで終わると思っているのか。

 俺はずっとお前だけを見つめていたのに」

「清ちゃん……」

「親が再婚するとき、すぐに賛成したのも、これでずっとお前と暮らせると思ったからだ」
と言いながら、清春が強く深月を抱きしめたとき、

「ついに正体あらわしたわねっ」
という声とともに、蔵の戸が開け放たれた。
< 441 / 511 >

この作品をシェア

pagetop