好きになるには理由があります
「深月っ、清春から離れなさいよっ」

 いや、逆っ、
と万理を見た深月を万理はさらに罵る。

「この泥棒猫っ!」

 いやっ、貴女、そもそも他の方の奥さんですしっ!

 そして、正体あらわしたのは兄の方です!

 この人の目は初恋で曇っている!
と深月が思ったとき、万理の後ろから陽太が現れた。

「清春、深月を離せ」
と月を背に陽太が言う。

「嫌だ。
 なに突然現れて、簡単に深月を持っていこうとしてるんだ」

「……全然簡単じゃなかったぞ」
と戸口に手をかけた陽太がどさくさ紛れに深月に文句を言ってくる。
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