好きになるには理由があります
「深月が今まで清らかでいられたのは、俺が守ってきたからだ。
 俺にこいつのすべての初めてを奪う権利があるっ!」

「馬鹿め。
 単に誰にも言い寄らなかっただけだろう」

 うっ、手痛い真実を……。

 深月は清春と陽太の応酬を聞きながら思っていた。

 あの~、支社長。
 本当に私のこと、好きですか……?

 いっそ、清ちゃん側につきたくなるな。

「いいぞ、やれやれー」
と外で面白がっているみんなは、深月たちを眺めながら、酒を飲んでいる。

「ツマミは?」

「腹減ったな」

「あーっ!
 それは明日、参拝者の人たちに出す煮物ーっ」
と揉める声が聞こえ、やがて、炊き出しが始まったようだった。




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