好きになるには理由があります
 動かせたのか、あんなものまでっ、と深月は清春を引きずるようにして、格子のはまった窓まで行き、外を見た。

 最近のおしゃれなパステルカラーの小型のショベルカーに乗って、陽太が近づいてくる。

「清ちゃんっ」

「深月、皿っ」
と焦る声が交錯する中、

「深月」
と静かに呼びかけてくる清春ひとりだけが焦ってはいなかった。

 清春は、深月の手を取り言ってくる。

「俺は愛は永遠じゃないと思う」

「はい?」

「お前はいずれ、船長と別れるだろう。
 そのときは俺のところに来い。

 約束だぞ」

「えー……、はいはいっ」
と深月は急いで、ものすごく適当な返事をした。

 このままでは支社長に殺されるっ、と迫る重機の音に何度も振り返りながら。

 だが、そのとき、蔵の入り口の扉がいきなり割れた。

 重機はまだ来ていないのに。

 割られた扉から斧を手にした杵崎が顔を覗かせる。

「一宮っ、大丈夫かっ」

「杵崎さんっ」
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